11/15/2017

ノブヒルはスノブヒル

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ノブヒルはスノブヒル


 サンフランシスコで「下町」というと坂の下にあるからdowntown、坂の上の方にあるのはuptown と言って高級住宅街になる。一概に、高低差だけで言えない地区もあるが、ケーブルカー乗り場の裏手から市庁舎にかけてはテンダーロイン(まさに肉のほとばしる危険なところという意味合い)と呼ばれる地区で、柵がしてある公園もそういうエリアにある。一概に危ないとは言えないが、黒人やマイノリティーの貧困層が住んでいて、ドラッグを売り買いしている人もいる。

 ポークストリートはそれらの通りと交わって、フィッシャーマンズ・ワーフに上がっていく通り。いろいろな店が並んでいる通りだが、上がっていくに従って、店がおしゃれになっていくのが目に見えてわかる。店の物価も一概には言えないが高くなっていく。アパートの家賃も場所によって変わっていくため、家探しは、地区の物価と安全性と合わせて探していた。留学していた学校がdowntownにあったため、いわゆる市の中心になるだけ近いところで安いところを探していたが、離れた州立大辺りの家賃も安いので、そこでハウスシェアしてダウンタウンまで通っている生徒も結構いた。

 私は何回か引越しをして、結局家賃の安いテンダーロインエリアのアパートに住んでいたが、買い物をするのはCalifornia 通りあたりにあるアメリカ系や中国系のスーパーを利用していた。空いている時間を見つけて週1程度でまとめ買いして、後は同居していた連れが安く食べ物を仕入れてきてくれていた。

 ある日、気が向いて、それを通り越したちょっとおしゃれな小さなスーパーに入ってみた。オーガニック製品などセレクトされた品があって良かった気がする。なぜか精肉のところに行って値段を見ていて、いつも買っているスーパーの2、3倍の値段はしたのでびっくりした顔をして立っていた。そこにいた店員の顔を見ると、「お前には買えないだろう。」的な顔で笑っていた。私はなぜか恥ずかしくなって、その場を離れてしまった。くそ、いつかは私も坂の上側で気軽に買い物が出来るようになるから。。と少し悔しい気持ちが湧いた。

 後で、同居人に聞くと、彼のいつも買っている肉は安くて硬い肉でそういうところの肉は柔らかいそうだ。やっぱり、品質で値段や売る場所が違うようだ。

  よく下町の人間は気さくで、高級なエリアに行くと人もツンとしている、みたいなことがあるが、California 通り、Broadway 通りのエリアはNob Hill (ノブ ヒル)というが通称snob (スノブ)(気取った)をかけたSnob Hill(スノブ ヒル)と言われているそうだ。他の下町の人もそう思っているのだろう。Marina(ヨットハーバー)にほど近いテレビドラマにもなったPacific Heights (パシフィック ハイツ、通称パックハイツ)に3ブロックほどの商店街があるが、すごく落ち着いて、大人の感じのする、店やブティックが並んでいたが、ちょっと一人では入りづらい気取った雰囲気があったのを覚えている。

 1度行ったきりだが、また行ってマッタリしたい、と常に憧れの場所だった。


 サンフランシスコの郊外まで行ったわけではないが、最近では貧困地区だったMission地区も高級レストランやブテックやコンドミニアムが並んでいる。古い店も残っていて、いろんな人が歩いている。日本のガイドブックにもオシャレスポットとして紹介しているほどで、以前友人に、「ドラッグの売り買いをしているからミッションは行かない方がいいよ。」と言われたのが嘘のようだ。地価の高騰で店を閉めてベイエリアの郊外の市に移住してしまったオーナーも多いため、ミッションはラテン系の貧困地区としての認識が薄くなっているが、ラテン系住民は、ミッション通り沿いに南下していくか、他の市に移っている人が多いようだった。

 サンフランシスコのあちこちの地域で元あった安い店がなくなってしまって、多くの人が「サンフランシスコは高くて住めない。」と言っていた。残っているのはレントコントロールで昔の家賃で住んでいる人か、仕事や事業がうまくいっている人か、シェアハウスをしている学生や観光客などになる。

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